不動産の査定価格が業者によって違うのはなぜ?
不動産(家、マンション等)を複数の不動産屋に査定してもらうと、会社によって査定価格にバラツキがあるのがわかります。
実際、査定額が5%や10%程度差が出てくることは良くあります。
普通なら、「同じ物件なのに、なんで査定価格が変わってくるんだろう?」って思いますよね?
それは、査定時の評価のプロセスが不動産会社によって変わってくるからです。
査定価格が不動産によって違う理由
具体的に言うと以下のようないくつかの理由によって査定額は変わって来ます。
- 参考事例の違い
- 査定方法(手法)の違い
- 会社(担当)のスタンスの違い
1.参考事例の違い
まず、1点目は参考事例の違いですが、
前のページで、取引事例比較方が今の中古住宅のメインの査定方法であることは説明しました。
(もちろん、物件の条件(地形や日照条件、近接道路、環境等)は千差万別ですので、比較しながらの評価になりますし、路線価、公示地価、基準地価などの公的指標も参考として使用します。)
しかし、この取引事例比較法は、状況と使い方によっては精度の高い査定ができるのですが、実は弱点もあります。
つまり、事例がたくさんあれば数多くの成約価格の平均値を出すなどして精度が高くなりますが、逆に1件しかない場合はもちろん精度が低くなります。
また、成約時期も2、3ヶ月前であればいいのですが、5年前とかであれば市場動向も変わってますので参考にはなりません。
もう一つの弱点は、売った時の事情がわからないことです。
逆に、余裕がある場合は、高めの値段で売り出して、ちょうどいいお客さんがいればいい値段で売れることもあります。このように、売主の事情(背景)によって成約事例での価格は左右されるのですが、そこまではさすがに把握できません。
多くの不動産会社は、事例を探す際にレインズ(指定流通機構)の過去の事例や現在の売り出し物件データを使用します。しかし、レインズにも上のような売主の事情は載っていませんし、物件によっては類似事例が少ない場合もあります。(単純に、類似物件が少ない地域の場合もありますし、掲載前に売れてしまったり、売主の事情で価格が公開されない場合もあります。)
そうなると、必然的に、自社で類似の物件をどれだけ扱ったことがあるか、さらに言えば、マンションであれば同じマンション内での取引の実績がどれだけあるかで、査定価格の精度に差が出てくるわけです。
2.査定方法(手法)の違い
また、例えば比較的小さめの面積のマンション(30〜50平米程度)の場合、賃貸物件として売れる場合もあります。不動産会社がそういった需要があると判断した場合は、取引事例比較法ではなく、賃貸物件としての収益性と価値から査定する「収益還元法」も同時に使用して評価をします。
そうすると、単純に取引事例法だけで判断している不動産業者とはまた違った評価額が出てくる場合があるのです。
3.スタンスの違い
そして、最後は不動産会社やその担当者のスタンスの違いです。
基本的には査定額は、売り出して3ヶ月程度で売れるだろう価格を算出すると言われていますが、このへんのさじ加減は最終的には不動産会社や担当者の方針やスタンスで変わってきます。
例えば、売主の要望も考慮して少し甘め(高め)の価格で売り出して、少しずつ価格調整しながらできるだけ高く売ろうという考えの担当者もいますし(契約を取ろうとして、高めの値段を出すこともあるので注意)、最初から早期売却できるよう厳し目(安い)価格で売ろうと考える担当者もいるわけです。
以上のような様々な理由があって、査定価格に違いが出てくるんですね。
ということで、上のような事情を理解した上で、不動産(家やマンション)の査定を依頼するときのポイント、注意点をまとめてみます。
不動産査定時の注意点とポイント
査定価格の説明を受ける際のポイントですが、まず第一に、出された価格について、その根拠をしっかりと確認しましょう。
もともと宅建業法により、査定価格の根拠を明示するようにとり決められています。
説明の仕方は、価格査定書の提示、過去の成約事例のデータ、周辺地域の情報や現時点での相場状況、不動産会社の経験からくるノウハウ情報等、業者によって特徴があると思いますが、上に書いたとおり、それぞれ様々な方法で行われます。
業者によっては大した資料もなく適当な説明しかしないところもあるかもしれませんが、そういった業者には正式に仲介を依頼することは避けましょう。
納得いく説明がされているか、提示された査定価格の根拠をしっかりと確認することが最初のポイントです。
複数の不動産屋に査定を依頼すると、上述のとおり、査定価格にバラツキが出てきます。
ここで注意点ですが、査定を依頼された担当者は、他の不動産屋にも査定を依頼していることを知っています。
そうするとどうゆうことが起こるかというと、仲介契約ととりたいがために、少し高めの価格を提示するところが多いです。ここであまりにも高い査定価格を提示してきたら要注意です。
不動産屋としては自分が買い取るわけではないので、その値段で売れなくても損はしません。媒介契約を結んで売りに出した後、やっぱり高すぎて売れなくて値下げをすることになった。ただ、その間に市場の相場も値下がりして、値下げした価格でも売れない、なんてことにもなりかねません。
後で後悔しないように、価格の根拠をしっかり確認しましょう。
以上ですが、家やマンションなどの不動産を複数の会社に査定依頼することは、もちろんできるだけ高く売るために必要なことですが、やみくもに高い査定額を出した不動産屋を選ぶだけが目的ではないことは理解してもらえたでしょうか?
もちろん、その価格の根拠がはっきりし、売主(依頼主)として納得できる説明があれば、文句なしにその不動産屋を選ぶべきですが、説明時に、信頼できる不動産屋かどうか、こちら(売主)のために親身になって売ってくれる会社であるかどうかを判断するのも目的の一つであるということも理解しておきましょう。
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